「何を言っても、この人には響かないだろうな」
そう思った瞬間、口を開く気がすっと引いていくことがあります。
声の大きい人。立場のある人。何を言っても変わらない人。
そういう相手を前にすると、私はよく黙ります。
我慢しているつもりも、飲み込んでいるつもりもないんです。
ただ、頭の中で一瞬にしてこんな計算が終わっているんですよね。
「言っても聞かないだろうな」
「ここで波風立てたら、崩れるものがある」
「声の大きい人に逆らうの、正直めんどくさい」
「自分に被害が及ばないなら、わざわざ首を突っ込まなくていい」
「あんまり強く言って、後で自分に仕事が回ってきても困る」
書き出してみると、われながら現実的だなと思います。
でもこれ、弱さでしょうか。
私はむしろ逆だと思うようになりました。
考える間もなく感情のままにぶつかっていくより、
一瞬でここまで損得を見積もれる自分は、
けっこう賢いんじゃないかと思うのです。
黙ることは、逃げることとイコールではありません。
「今、ここで力を使う場面じゃない」と、
体が先に判断しているだけのこともある。
損得だから計算高い、とネガティブに捉える考え方もあります。
でも、全てにぶつかっていくのは疲れてしまいますし、
場合によっては、自分の方が砕け散ってしまうこともあります。
下手をすれば、仕事という名の波にのまれて
沈んでしまうかもしれませんよ。
できるなら、浮き輪があるといいですよね。
もちろん、黙り続けた分だけ、 胸の奥に小さなよどみのようなものは
溜まっていきます。
それは否定しません。
でも「言わなかった自分」を責める前に、
「なぜ言わなかったのか」を、こうして一度言葉にしてみる。
それだけで、よどみは少し軽くなる気がします。
黙ることを選んだ自分も、
ちゃんと自分を守っていたのです。
あなたにも、「言わない方が得だ」と瞬時に判断してしまう場面、
ありませんか?
(画像:生成AI作成)


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